正月に登山をしたら「北風と太陽」の話を思い出した。 | KIK

2022/01/11 11:37

正月に埼玉県日高市にある「日和田山(ひわださん)」に登ってきた。


自宅から車で気軽にいける距離にあったがゆえか、登ったのは今回が初めてだった。


日和田山は標高305mのいわゆる低山である。


正月で頭と体がなまった私にはちょうどいい運動強度だった。


山頂までのコースのほとんどはハイキングコースとして整備されており歩行しやすい。


しかし、途中には手を使わないと登っていけない急斜面の岩場もあり、程よく頭と身体を使うことが求められた。



その日は快晴で青空が晴れ渡っていた。


それでも冬の寒さを感じた私は、パタゴニアのフリースの上から同じくパタゴニアのナイロンジャケットを羽織り、ズボンの下にはタイツを装着して、いわゆる冬の格好で臨んだ。


だが、歩き始めると20分も経たないうちに体はポカポカになり暑くてたまらず上着を脱ぎはじめ、山頂に到着した時には長袖一枚の姿に変わっていた。



きっとこのような変化を楽しむことができるのは冬の登山の醍醐味の一つなのかもしれない。


車を停めた駐車場から山頂まで登って降りておおよそ1時間半〜2時間くらいだっただろうか。


無事に駐車場に戻ってきた私の頭の中には、なぜかあの有名な寓話が思い出されていた。


イソップ物語の「北風と太陽」である。


ほとんどの方はご存じの話だとは思うが、簡単にあらすじを書かせていただきたい。


ーーー


北風と太陽が、どちらが強いか競うために、旅人のコートを脱がせた方が勝ち、という力試しで勝負を行った。


北風は旅人に激しく冷たい風を吹きつけ、コートを吹き飛ばそうとするが、旅人は、さらにギュっとコートを押さえ、さらにもう1枚服を上から着込もうとする。


一方の太陽は、ポカポカと暖かい日差しを向け、旅人は暖かさから暑さを感じ、自らコートを脱いだ。


太陽の勝利。


ーーー


この寓話から得られる教訓は、


「人の心を無理やりに動かす事はできない」


「人に動いてもらいたければ強引に接するよりも優しく思いやりを持って接すること」


といったあたりになるだろう。


私自身も、昔この話を知ったとき、人に対して「思いやり」を持って接することを大切にしようと強く思ったことがあった。


だからこそ、


仕事で後輩や部下と接するとき。



仕事でお客様と接するとき。


家族と接するとき。


大切な友達と接する時。


初めましての人とお会いする時。


それぞれの局面で、自分と相手の感情や思考と向き合いながら、思いやりの力を信じて、試行錯誤しながらも実行に移してきた。


言うなれば「北風と太陽」のお話は、人生における私の一つのアイデンティティになっているとも言える。



今回の正月の登山の件だが、見方を変えれば「山に温めてもらった」と捉えることもできる。


そんなことからふと思い出されたイソップ寓話の「北風と太陽」。


年初めに気持ちを改めるという意味では、とてもいいタイミングで思い出されたなと今思う。


思いやりを大切に。


今年も様々な人達と良い関係を作っていきたい。


(文・写真:Tanaka Shingo